蛇の目和傘(雨傘)

江戸時代から続く蛇の目傘の産地、岐阜市加納地区


岐阜駅の南に位置するこの地区は、中山道53番目の宿場で交通の要所として栄えてきました。和傘が加納の地場産業として発展したのは宝暦年代(1760年代頃)以後のこと。加納藩の武士が傘の骨削りや轆轤(ろくろ)作りなどの工程を行い、内職として生計を立てていたといいます。
和傘の材料となる良質な竹が長良川を始めとする木曽三川流域には豊富にあり、美濃和紙、柿渋、えごま油が入手しやすかったことが、地場産業までに成長した要因だったようです。

岐阜加納地区の和傘
明治以降、和傘は発展の一途をたどり、最盛期には月100万本を超える生産量でした。海外への輸出も盛んで、シドニー万博にも出品され好評を博したほどです。かつては加納のあちこちで和傘を干す光景が広がり、まるで花のようだったと言われるほどでした。

しかしその後、洋風の生活様式が日本へ入ってくると和傘の生産量は激減します。現在ではごく一部の職人の手で、年間2万本を生産するのみとなりました。
かつては600軒あった傘屋も現在では3軒となり、岐阜は日本国内の和傘の生産9割を担う地でありながら、その伝統技術の継承は危機的状況にあります。


熟練した職人の手で仕上げられる和傘


和傘は「から傘(唐傘)」と呼ばれることがあります。唐傘は中国の傘の意でなく、開け閉めが自由にできる「カラクリ細工の傘」の略称だとも言われます。
それほど和傘の構造は複雑で、昔の人々が「カラクリ」と思ったのも不思議ではありません。

マルト藤沢商店 和傘の骨師と張り師
和傘は十数人の熟練職人の手により数カ月をかけて製品に仕上げられます。傘の骨を、1本の竹を数十本に削り出す「骨師」、開閉されても破れず、シワにならないように紙を張る「張り師」、紙に絶妙な量の油を塗り雨漏りを防ぎ、骨の上に漆を引く「仕上げ師」など、各行程に専門の職人がいるほどです。
和傘をつくる行程は数ある工芸品の中でも複雑を極め、大工程に分けても9つ、中工程では50以上、全工程では100を越えます。皮肉なことですが、余りにも複雑な工程があるために1本の傘を1人で作り上げるのは至難のわざで、後継者育成の妨げともなっています。


普及品としての和傘。マルト藤沢商店の蛇の目傘


伝統の継承を使命とし、和傘を作り続けているマルト藤沢商店。この蛇の目傘は、「和傘を気軽にさして、雨の日を楽しんでほしい」という思いのもとつくられました。和傘初心者でも使いやすく、素の竹の色と和紙の色とのコントラストを気軽に楽しめます。和装はもちろんのこと、洋服にも合わせやすい傘です。


まずは一本、歴史と岐阜の文化がしみ込んだ蛇の目雨傘を持ってみませんか?
販売価格 16,200円(内税)
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